mr.novemberのブログ

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【上半期ベスト】2014年 上半期 ” 極私的”ベスト・アルバム _ 10位〜6位

もう7月も終わりですが・・・

父の急死という個人的な事情があり7月は全く更新が出来ませんでした。

上半期ベストはずいぶん前から紹介しようしようと思いながら、
あっという間に下半期も1ヶ月が経とうとしていますがようやくご紹介させて頂きます。

Hype Machineとの出会いもあり、非常に充実したリスニング環境だった2014年。こういう時代には「ベスト・アルバム」といっても本当に各個人で意見はバラバラになるだろうし、もはや好きな曲がどのアルバムに入っていて、それがいつリリースされたものなんて益々意識はされなくなるんだろうと痛感する。

と同時に「それをどう編集して、伝えることが面白いことなのか/音楽をより楽しむことに繋がるのか」という問いにはまだサンプルとなる解すら出ている印象が個人的には無いので、自分でも色んな試みをしたいと思う次第。

それはさておき、早速「2014年極私的上半期ベスト」10位から6位までをご紹介。

10位から6位

10.  James Vincent McMorrow 『Post Tropical』(Vagrant

ポスト・トロピカル

 Lana Del Reyのカバーで知った人も多いだろう。僕もそのクチだ。このアルバムは彼にとってのセカンドに当たる。いわゆるインディー・フォーク然としたデビュー作からエレクトロニックなサウンド・メイクを一気に取り込んでおり、ここ数年の最大のトレンドでもあり未だ勢いが衰えないR&B的サウンドメイクのアプローチはここでも聴くことが出来る。作曲から演奏まで全てこなせるJVMの最大の武器であるその素晴らしい声を活かした飛躍作。まずはフェンダー・ローズのような柔らかな音色とソウルフルなボーカルが堪能できるCavalierから聴いてみることをオススメする。

<おすすめトラック:M1. "Cavalier"

9.  Lana Del Rey『Ultraviolence』(Universal) 

ウルトラヴァイオレンス

異様に出来の良かった数曲を除けばはっきり言ってただの駄作だったデビュー作。来日のドタキャン騒動や本国アメリカでの諸々のゴシップネタからして、どうみてもただのステマ・アーティストだろうとその後には全く期待していなかった。
がしかし、変に「アーティスト」らしく彼女の実像を売ろうとするのではなく、あくまでもペルソナはペルソナとして、その世界観だけを貫徹させてきたことも奏功したのか、セカンドはまさかの良作となった。
益々憂いを帯びる気怠いボーカルとダウンビート、時折効果的に靄のように薄く音像をぼかすディストーション・ギター。デビュー作では気になった中途半端なヒップホップ・トラック等へ妙にマーケットを幅広に抑えようとする気配せは捨て、コンセプトを一番良く体現する音作りに絞り込むことに成功したと言える。彼女は遂に名実ともにポップ・アーティストになり得るのか。大きな分水嶺となる作品。

<おすすめトラック:M2. "Ultraviolence"、M10"Old Money">

8.  How To Dress Well『What is this Heart?』(Domino)

What Is This Heart?

思えば傑作『Total Loss』(2012年)で一躍脚光を浴びたハウ・トゥ・ドレス・ウェルこと、トム・クレルはこの数年のR&Bリヴァイヴァルの立役者として位置づけられてきた節がある。別にトレンドと距離を置こうという強い意志があった訳では全くないだろうが、2年ぶりの新作『What is this Heart?』では実に軽やかに新たなステップを踏み出した。
これまでのドローンやアンビエントのようにくぐもった音像処理から一転、晴れ渡ったように各サウンドの要素をクリアに響かせている。そして思わずステップを踏みたくなるようなダンサブルなビートもアルバム随一の佳曲Repeat Pleasureなどで聴くことが出来るのは嬉しい変化だ。
近しい人の死をテーマにしていた前作と同様、今作でもトム・クレルは「生と死」、そして「愛とそれにまつわる喜びと苦しみ」ついて思いを巡らせている。だがそれは悲嘆に暮れ、嘆き続けているのではない。これまで生きてきた過去を背負いながら、そして混乱したまま苦悩を振り払うように未来に向けて愛を叫び続けるろいう決意でもある

<おすすめトラック:M5. "Repeat Pleasure"、M8."Words I don't remember">

7.  NOOSA『Wonderland』(self-released)

Wonderland

Sky Barbarick(スカイ・バーヴァリック)とMatt Buszko(マット・バスコ)のデュオ。2012年、NYを拠点にEP「Walk On Byで音源を初めて世に公開した。ただその後しばらく目立った動きはなく、活動の拠点をLAに移しアルバムの準備をしたようだ。今年5月20日にリリースされたばかりのデビュー・アルバムがこの『Wonderland』。しかし契約レーベルはまだない模様。
サウンドはLondon Grammerへのアメリカからの回答と言いたくなるようなゴシックな趣のあるバラッドも聴けるが、Noosaの方がストレートにポップだ。LordeFlorence + the Machineが好きな人もきっと気に入るに違いない。これまで試行錯誤をしながらも陽の目を見ることがなかったかもしれないが、近いテイストのアーティストが次々と脚光を浴びる中、このデュオへの衆目も集まることを期待しよう。

<おすすめトラック:M1. "Love"、M6. "Walk On By">

6.  Phoria『Display EP』(X Novo)

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英国はすっかりメランコリアの季節だ。London Grammerしかり、アデル不在中に台頭した新たなポップ・シンガーの王者、Sam Smithしかり、そしてこのブライトンの5人組Phoriaしかり。それにしてもイギリスの若手の競争は今、相当苛烈だ。これだけの質と量を生き残ったアクトは必然的に歴史に残るレベルに到達すると思うので各々の動向が楽しみでならないが、その中でも6月にEPをリリースをしたばかりのこのPhoriaは本命だろう。実に不穏だが美しいEmanatesを聴けば、やはりこの10年でイギリスのエレクトロニック・ミュージックが育んできた土壌がどれだけ豊かだったかを痛感する。歴史が歴史を作り、新たな才能を常に育むのだ。 

<おすすめトラック:M1. "Emanates"、M2. "Undone">

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