【Live Report】HAIM live@Club Quattro SHIBUYA _ Jan 23, 2014
開演10分前にはすでに満員の入りの渋谷クラブ・クアトロ。大阪ではPhoenixの『Bankrupt!』がSEで掛かっていたみたいだが、この日はKanye Westが気分だった様子。いずれにせよ彼女たちらしいチョイス。客層もチャラさとストイックさがいい塩梅で混じり合ったこれくらいの感じはやはり良い。
ママがハラハラしそうなほど短い丈のホットパンツを履いたアラナ、レザー・ベストとギブソンSGが相変わらずキマりまくりのダニエル、そしてたっぷりの赤いリップが艶やかなブロンド姉御=エスティの3人が気の弱そうな奴隷系(笑)ドラマーとキーボーディストを連れてステージに現れてからアンコールを含めて1時間10分の短いセット。この間、ハイムはとにかく僕達に「楽しむこと」をオファーしてくれた。
様々なジャンルの音楽をインディー/メジャー問わず素直に受け入れ、咀嚼したものをアウトプットする。皆、簡単に言うけど実行するのは全然簡単じゃない。ハイムが素晴らしいのは嫌味なく、外連味なくそれを本当に具現化しているところ。フリートウッド・マック風の"Honey&I"からShanaia Twainの"Man! I Feel Like A Woman"を叩き台にした"The Wire"まで基本ハードロック・アレンジに置き換えられるライブでは若干分かりにくくなるものの、ハイムの音楽は実にレンジの広いオープン・マインドな音楽性を持っているのと同時に誰にとってもアクセシブル(分かり易さと自分も出来るかもという可能性の双方において)なポップネスがある。文化祭のようなユルさがあったこの日のステージでもそれはしっかり伝わってきた。
"Days Are Gone"や"My Song 5"など録音音源での面白いアレンジを上手くライブで反映させられていない楽曲もまだまだあるが、これから場数を踏んでいく中で成長していってくれるのも楽しみなところ。そう、まだ彼女たちは若い。
「私もあんな風になれるかも」と感じながら彼女たちを見つめる多くの女の子の夢を引き連れてまだまだ前に進むだろう。
そうだな、後はとにかく最高なボーイズ(メンズ?)・バンドがアメリカから出て来てくれれば2014年は最高な年になる。そんなことを感じた新年1発目のライブ。
にしてもPortisheadのジェフ・バーロウの「ハイムはシャナイア・トゥエインみたいに聴こえるけど、いつこんなに良くなったんだ??」っていうコメントは実に言い当てて妙である。
【セットリスト】
Falling
If I could change your mind
~ジャム・セッション~
Honey &I
Days are gone
My song 5
Don't save me
Running if you call my name
Forever
~Encore break~
The Wire
Let me go→パーカッションジャム