mr.novemberのブログ

暇と退屈、そして音楽の楽しみ方。

【あの曲、あの歌詞】Lana Del Rey _ Born to Die

Come and take a walk on the wild sideLet me kiss you hard in the pouring rainYou like your girls insaneChoose your last words, this is the last time'Cause you and I, we were born to die 愛を追い求めることと夢を追うことはどこか似ている。そ…

【あの曲、あの歌詞】Lorde _ Green Light

'Cause honey I'll come get my things, but I can't let goI'm waiting for it, that green light, I want it 信号というメタファーはポップ・ソングで頻繁に使われてきた。赤なら止まり、緑なら進むというルール。 それは自分で意思決定するのではなく、ル…

【あの曲、あの歌詞】St.Vincent _ New York

New love wasn't true loveBack to you, loveSo much for a home runWith some blue bloods 街に対する想い入れは、その街で誰と過ごしたのかと分かちがたく結びついている。特にそれが恋人のときは。 恋人との関係が変化するごとにその街ごと憎らしくなった…

【あの曲、あの歌詞】The XX _ Replica

They all say I will become a replica. Your mistakes were only chemical. 歳を重ねるとふと自分が両親に似てきていると感じることはないだろうか? 同居しなくなって久しいにも関わらずちょっとした所作や思考パターンが似ていることにはたと気付いたり、…

【楽曲分析_試行】Nick Hakim - Cold

www.youtube.com Nick Hakimのルーツである音楽のエッセンスを律儀に盛り込んだ曲だ。そのルーツとはジャズ、ソウル、そしてゴスペル。でも全体の音飾的な味付けは極めて今っぽくゼロ年代以降の音楽をたくさん通過してきたことがわかる。 楽曲は、BPM60台半…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『2015年、圧倒的な1枚』編

本作をピカソの「ゲルニカ」に例える声がある。人間の蛮行と悪を描いた黙示録であるかの作品と同様、『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』は告発的な作品だ。それはアフリカン・アメリカンたちがホワイト・ハウスの目の前で裁判官を踏みつけ、酒ビンと札束を握…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『ポストEDMとしてのダンス・ミュージック』編

産業化が過ぎた快楽=EDMからの離脱 とにかく強引にフィジカルに訴えかけてこうようとするEDMには流石に世界中が食傷気味になったのか、僕が触れた2015年のダンス・ミュージックは、EDMに明確に引導を渡すような革新や派手さを持ち合わせた何かは無かった代…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _『絶滅が危惧される”ギター/ベース/ドラム” バンドの生き残り』編

元の居場所へと還っていく「インディー」 この10年のアメリカの音楽産業は「インディー」という鉱脈を掘り返すことで飯を食ってきたと言ってもよいだろう。ただグランジ・ブームの時の反省からか、食い尽くされ、焼き畑化される前にここ数年をかけて「イン…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _『リバイバル以後のいいとこ取りハイブリッド音楽としてのR&B』編

最もハイブリッドで適応性のあるフォーマットとしてのR&B 音楽のフォーマットとしてのR&Bの援用はまだまだ続いたのが2015年でした。ダンス/ベース・ミュージックとの合流を踏まえ多くの新しいR&Bが登場したイギリスだけでなく、アメリカでもいわゆるメイン…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『埋もれた日常を掘り起こす想像力としてのフォーク・ミュージック』編

埋もれた日常を掘り起こす想像力 ここで紹介する二組は「グローバル・ポップ」で紹介した面々や、アデルのような最先端のプロダクションの凄みはありません。そしてラブ・ソング、とりわけ失恋という形式というユニバーサル・ランゲージを分かりやすく採用し…

【年間ベスト】2015年ベスト・アルバム _ 『グローバル・ポップ、ガチンコ勝負の頂上決戦』編

"Winner takes all"のグローバル・ポップ市場 インターネットが音楽産業に起こした構造的変化のひとつに「勝つものが益々勝つ」という現象がある(#その一方多様な音楽が可視化はされるようにもなっているのも事実)。そう、Winner Takes All。事実、レコー…

【年間ベスト】2015年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 前口上

遅ればせながらの2015年ベスト・アルバム さて毎年恒例遅ればせながらの年間ベストです。 まずいきなりですが、最初に断りを入れておくとこのリストは僕の個人的なテイストの順ではありません。 では何なのか?と言うと、ポップ・ミュージックと接するうえで…

【告知】WEBマガジンQeticにOh Wonderへのインタビューが掲載されました!

とても濃いインタビューができました HypeMachineで出会ってから1年以上が経ちましたが、ずっとフォローしてきたOh Wonderにようやく念願のインタビューが出来ました!凄く丁寧で濃い回答を貰えて充実した内容になっています。 単発は良くてもアルバムをハイ…

【DVD Review】"Heaven Adores You ~ A documentary film about Elliott Smith"

この作品はありがちなレジェンドを大仰に振り返ったり、悲劇(エリオット・スミスの死因は断定しきれていないものの恐らく自殺と想定される)にフォーカスしているものではない。 この作品を観て改めて感じたのは、エリオットに近しかった人たちが語るエリオ…

【Song Review】Adele "Hello"

アデル、ほぼ5年待ったアルバムからの1stシングル。 万人受けの分かりやすーいフックという訳でもなく(あくまでもアデル内相対的にだが)、シングルにしては尺も長め。 ”「Someone Like You」的シングルをもう一発当てにいく”という最大の誘惑には打ち勝った…

【Album Review】Disclosure 『Caracal』(Universal)

今やUKのみならず世界のダンス・ミュージックを牽引することを期待される存在になったローレンス兄弟ことディスクロージャー。2010年代のイギリスが「ハウスの時代」を迎えたのは彼らが着火点。ケムズもアンダーワールドもプロディジーも完全にしくじったア…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち_19

今週のイチオシ Lewis Del Mar "Wave(s)" soundcloud.com NYからのChet Fakerへの回答?Chetは素晴らしいアルバムをリリースし、久方ぶりにオーストラリアから名を上げたSSWになったけど、このルイス・デル・マールもこの曲レベルをもう幾つか世に出せれば、…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち_18

今週のイチオシ KHAI "Do You Go Up" soundcloud.com ミズーリ出身のトラック・メイカーということ以外大した情報がないこのKHAI。とても今っぽいダウン・テンポのR&B。ダウナー過ぎず、濃密過ぎずの塩梅は最近だとTom Mischを、過去のアクトだとZero7を思…

【上半期ベスト】2015年 上半期 ” 極私的”ベスト・アルバム _ 5位〜1位

5位から1位 5. Florence + The Machine 『How Big, How Blue, How Beautiful』(Island) “Magnificient(荘厳な)”という言葉は、このフローレンス+ザ・マシーンのためにある言葉と言っても過言ではない。これまでの2作は1曲1曲が濃密すぎるゆえかどこかアル…

【上半期ベスト】2015年 上半期 ” 極私的”ベスト・アルバム _ 10位〜6位

もはや3Qが終わろうとしていますが・・・ 昨年よりさらに遅くなってしまった上半期ベスト。というか遅すぎてもう第3Qが終わりつつあります(笑)。実は下半期のほうがすでにリスト入りするアルバムが固まってたりするんですが、まぁいいや。ケジメが大事!!…

【Feature】Ryn Weaverのデビュー・アルバム『The Fool』全曲試聴

2015年はテイラーじゃなくてリン・ウィーバーの年。のはず。 前々から去年はBanks、2015年はRyn Weaverを推しまくると決めております私。テイラーより俄然コッチですね。今や超売れっ子プロデューサーのベニー・ブランコの秘蔵っ子でもあります。遂にという…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち_17

今週のイチオシ Jordan Bratton "Prisoner(feat. Chance The Rapper)" www.youtube.com ガーディアン誌によると2013年の時点で18歳なので現在は20歳ということになるこのJordan Bratton。とにかく余り情報がないが、NYのロングアイランドを拠点に活動してい…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち_16

今週のイチオシ Julio Bashmore "Holdin' On(feat. Sam Dew)" soundcloud.com ジェシー・ウエアのデビュー作でも決定的な仕事をしたプロデューサー/トラックメイカー、Matthew WalkerことJulio Bashmore(フリオ・バシュモア)が遂に7/10にアルバムをリリー…

【告知】WEBマガジンQeticにPrefuse73の特集記事を寄稿しました!

ギレルモ・スコット・ヘレンの代表的な名義であるプレフューズ73が4月末に4年ぶりの新譜をリリースしたことに際して、彼の20年近いキャリアを総括する記事をQetic誌に寄稿させて頂きました。 本当に久々の快作となった新作ではヒップホップを軸にエレク…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち_15

今週のイチオシ Andy Shauf "I'm Not Falling Asleep" 『Either/or』の頃のElliot Smithのあのヴァイヴを想起させるカナダのシンガーソングライター、Andy Shauf。エリオットだけでなく、正統派バカラッキアンからPaul Simon、またそれらの系譜にあるよりコ…

【Live Report】ブルーボトルコーヒーとホステス・クラブ・ウィークエンダー

10回目の節目開催 ちょうど10回目の節目を迎えたホステス・クラブ・ウィークエンダー(以下、HCWとする)。 St.Vincentのグラミー効果なのか、ベルセバ効果なのかは未だ解せないものの、2日に渡って新木場スタジオコーストは超満員の賑わい。 と同時に同じ…

【新・Weekly Music】HYPE MACHINEで見つけた素敵な音楽たち⑭

今週のイチオシ Oh Wonder "Lose it" またもやロンドンからのデュオ。ロンドンからの量産体制はいつまで続くのか・・・。このOh Wonderは 毎月新曲をリリースするというプロジェクトを開始したばかりだが、未だにこのデュオが何者かはよく分かっていない。 …

【年間ベスト】2014年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『本当の私的ベスト・アルバム』編

とにかくこの2枚が全てだった2014年 ちんたらと足掛け丸2ヶ月も掛けてしまいましたが・・・「僕から見た2014年の景色」を定義する7つのパースペクティブのラスト『本当の私的ベスト・アルバム』編をようやく迎えました。2013年はVampire Weekendがぶっち…

【年間ベスト】2014年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『すべての人々に語りかけ、チャートにも居座れたポップ・ミュージック』編

他者に分かりやすく語りかける音楽としてのポップ・ミュージック 僕はポップ・ミュージックの大きな役割の一つは「皆が思ってはいるけれどなんだかモヤっとしていることを"すっと"腹落ちさせること」だと思っている。 そしてすぐに話が通じそうな人にだけ話…

【年間ベスト】2014年「 極私的」年間ベスト・アルバム _ 『EDM以後のビッグになるべきと信じて疑わないダンス・ミュージック』編

”EDM”ではなく、でもど真ん中にストレートを投げ込むこと 市場のメカニズムとはひとつ”勝ちパターン”を見つけると、雨後の筍のようにその模範をコピー&ペースト。市場は一気に巨大化し、プレイヤーを増やしながらそのマーケットを自己強化し、マーケットの…

Visit Keigo Sadakane's profile on Pinterest.