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【年間ベスト】2013年” 極私的”年間ベスト・アルバム _ 10位~6位

ざっくり2013年を振り返る

年の瀬も迫っているので良い機会かなと一応自分なりに2013年のトレンドを振り返ることにしました。
余り熟考してないですが、ざっくり思いついたのは以下の3つ。

  • 着地点としてのR&B、ソウル、ディスコ

  • R&Bを含む90年代リバイバル

  • エレクトロから生音への回帰

3点いずれにも寄与してるジャスティン先生のポップ・モンスターぶりはやっぱ凄いなと思いますが、個人的には今年の新譜2枚は大好きなシングル曲はあるものの、アルバムトータルとしては、前作『Future Sex/Love Sounds』の方が好みです。

あとは遂に失墜したかと思われたファレル・ウィリアムズもダフトとの仕事で上記のトレンド・メイカーとして一気に復権したのも印象的。というか彼のビジネス・マンとしての嗅覚は半端じゃないですね。ただじゃ転びませんわ。

では10位から6位の発表です

と、御託を並べるのもこれくらいにして、
早速「極私的ベスト・アルバム(一部、EP)」の10位から6位を発表しちゃいましょう。
ダントツ迷いなしの1位を除くと順位に余り意味はなく「聴いた量」順に近しいイメージです。

見て頂いた人にとって何か新しい発見があると良いのですが・・・

(凡例:順位. アーティスト名『アルバム/EP名』(レーベル名)
(注:おすすめトラックの曲名にはYoutubeリンクがされています)

 10. Elvis Costello & The Roots 『Wise Up Ghost』(BLUE NOTE)

Wise Up Ghost
別れた女の不幸を祈るひねくれオヤジ=コステロザ・ルーツのコラボ?いいに決まってんじゃん。と思ってたらやっぱり良かったです。ド頭の「Walk Us Uptown」のタイトなドラミングがまず最高。今回のコラボはコステロの大ファンだったThe Rootsのクエストラヴが、D'angelo(ディアンジェロ)の『Voodoo』(クエストラブが制作に参加)をコステロが気にっていると聞き、話を持ちかけたという。まるで音楽の百科事典よろしくニューオーリンズ・ジャズ、ブルーグラスからカントリーまで手がけてきたコステロだが、今作では全編に渡ってクエストラブのファンキーなドラムをベースにしたソウル/R&B色の強い見事な仕上がり。音楽の歴史を串刺しにしながら、今のトレンドに厚みを持たせるその気概と手腕に脱帽です。ちなみにジャケットはギンズバーグの「Howl and Other Poems」へのオマージュですよね?

<おすすめトラック:M3. "Tripwire"、M6."Stick Out Your Tongue"

9.  Inc. 『No World』(4AD)

No World [Analog]

 LA出身、セッション・ミュージシャンとしてキャリアを積んだアンドリュー/ダニエル・エイジドの双子兄弟のデビュー・アルバム。同じくLA出身のBanksと共にブルー・アイド・ソウルではない、アメリカにおけるR&B/ソウルの新しいフェーズを感じさせる。<Pitchfork>の「誰でもプリンスのマイナー曲から盗みを働ける」という的外れな評は無視して良い。経歴に恥じない卓越した技術と巧みなコード進行、ささやくような繊細でロウなタッチの声が生み出す親密さはぞっとするほど美しく、あけすけで誰かの部屋を覗き見しているような気さえしてくる。そして彼らもまた歌詞において内省しながら自分なりの希望を見つける。本人たち曰く「ポスト・グランジ時代における希望」を。

<おすすめトラック:M2. "Black Wings", M5.  "5 Days"

8. SAMPHA 『Dual EP』 (Young Turks)

DUAL EP

またイギリスから新しい才能。と言ってもSBTRKTの相棒、Jessie WareThe XX、そしてDrake等との一級品の仕事でもその名を知っている人も多いだろう。そんなSampha(サンファ)のソロと聞くとダンス寄りのサウンドを想起する人もいるかもしれないが、デリケートなピアノを基調にしたゴスペル・レコードといった方が良い趣の作品だ。サウンドの中心はその圧倒的に豊かな声。そしてその周りに揺蕩うようにピアノやグリッチ的なエレクトロ・サウンドが散りばめられている。inc.やJames Blakeと並んで「声の回帰」を予見しているとは言い過ぎか。様々な音域にピッチされた声を重ねたゴスペル・ソングである最終曲「Can't Get Close」は9歳の時に亡くなった彼の父に捧げられ、その美しさは抗いがたいエモーションの喚起を誘う。

<おすすめトラック:M3. "Without"、M6. "Can't Get Close"

7. Rhye 『Woman』 (Republic)

Woman

2012年、最高にセクシーだったアルバムはAlt-J『An Awesome Wave』だったが2013年はこのRhye(ライ)だろう。Alt-Jにはティーンエイジャー的(彼らは20代だけどね!)な不気味な妄想も入り混じっていたが 、Rhyeには大人の洗練と余裕を感じる。男か女か判然としないその中性的な美声もまた目隠しプレイ的な淫靡さを漂わせている。近年、いい仕事をしまくっているデンマークのプロデューサー=Robin Hannibal(ロビン・ハンニバル)とカナダはトロント出身のシンガー=Mike Milosh(マイク・ミロシュ)のデュオとしてのデビューとなるこの「Woman」はチルアウト用BGM一歩手前のスムース&セクシーさで、結果的に13年のソウル/R&B回帰を世に知らしめる作品になった。ストリングスとエレクトロニクスを絶妙にブレンドした甘美な肌触りのソウルは最近ではJessie Wareが、そしてかつてはSadeシャーデー)がやってきたことでもある。にしてもRobinのSadeオブセッションは尋常ならざるものがあるよね。

<おすすめトラック:M1. "Open"、M6. "3 Days"

6. Quadron 『Avalanche』 (Epic)

Avalanche

 2013年はRobin Hannibalの年だったと言っても過言ではないかも。Rhyeの成功で一気に知名度が上がったRobin Hannibalですが、本家はこのQuadron(クアドロン)。同郷デンマーク出身の女性シンガー=ココ・Oと組むエレクトロニック・ソウル・デュオだ。<Plug Research>からリリースされた2010年のデビュー作『Quadron』も昨今のネオ・ソウルの動きを先駆けた作品だったが、メジャーに移ってのセカンド・アルバムとなった本作では70'sソウルを軸にしつつも、ラテン風のパーカッションやホーン・アレンジなど中南米のテイストがより前面に出ており、ブルーズ色の濃いココのボーカリゼーションを「黒く」し過ぎない絶妙なバランスになっているのも見事。この手の音楽に余り興味のない人にもスっと入ってくる耳触りの良さはRhye同様でRobinの力に依るところだろう。そしてもはやお約束ですが、ジャケはまたもSadeです(笑)。

<おすすめトラック:M1. "LFT"、M3. "Hey Love"

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