【Feature】Banks _ インタビュー全訳:BBC Sound of 2014
さてまたもやBanksです。
先日カウントダウン式で発表されている「BBC Sound of 2014」の投票結果で3位となったこともあり、BBCが彼女へのインタビューを行っています。(年間ベストのエントリで紹介したSamphaは4位でしたね)
それほど目新しい情報はありませんが、
まだ彼女を知らない人には良いイントロダクションになるかと。
以下、拙訳です。
官能的なR&Bシンガー、バンクス。”BBCサウンド・オブ・2014”で3位を獲得。
ダークで内向的な歌詞に官能的なエレクトロニックなグルーブ。25歳のバンクスはジェイミー・ウーンにリル・シルバ、トータリー・イノーマス・エクスティンクト・ダイナソーズらイギリスのアンダーグラウンド・シーンのプロデューサーたちとコラボレートを重ねてきた。
しかし彼女はロンドンではなくLAからやってきた。ソングライティングはプレゼントで貰ったトイ・ピアノで始めたという。
「音楽には何か他と違うものを感じたの」。彼女はBBCにそう語ってくれた。
「多くの場合、人は弱さや拒絶されることを恥じるけど、そうした感情を歌うことは解放だと思う。その歌を聴いてくれた人が孤独でないと感じてくれたらそれは素晴らしいことだわ。」
昨年『Fall Over』と『London EP』という少し控えめなEPをリリースし、秋にはザ・ウィークエンドとツアーを行った。
そして現在デビュー・アルバムを準備中でもある。
(以下、BBCによるインタビュー)
「サウンド・オブ・2014」でのトップ3入り、おめでとうございます。
凄いわ!本当に名誉なことよね。
14年への心構えは出来ていますか?
できているわ。私はこの仕事をとっても楽しんでる。
これがやりたかったことだし、想像していた通りだと思っているの。
フルネームは「ジリアン・バンクス」ですよね。なぜファースト・ネームを取ったのでしょう?
私の声は凄くフェミニンだけど、曲を書いている時って凄く力強さを感じているの。だから私の曲はヘビーだし、「バンクス」という言葉自体もそんな響きを持っているわ。とても短くて、パワフルなサウンド。力強い音だし、それに何でも2つに分けるのが好きなのよ。
出身はどこなんですか?
オレンジカウンティで生まれたのだけど、1歳か2歳の頃、LAのターザーナ(サン・フェルナンドに位置し、高学歴な富裕層が多いエリア)に引っ越したの。凄く大きなバックヤードがあったわ。
学校はどんな子供だったんですか?
学年にもよるけど・・・、最初はとても外交的だったんだけど、だんだんそうでは無くなっていったのは確かね。母親から聞いたんだけど、5歳で初めて学校に入学するときに校長先生が校内案内をしてくれたらしいんだけど、その時私は校長先生にカエルみたいに飛んでみせたらしいのよ。歩こうとしなくて、ずっとカエル飛びをしてたらしいわ(笑)。
つまり昔からパフォーマーだったんですかね?
(クスクス笑いながら)パフォーマンスだったのかはわからないけど、いつも自分だけの小さな世界にいたのは確か。
学校では劇をやったり、歌ったりはしていなかったんですか?
いいえ、「歌うこと」を一度発見してからはその行為は私だけのもので、他の人とは隔離されたものだったの。
子供の頃最初に聴いた音楽を覚えていますか?
トレーシー・チャップマンを聴いていた記憶がある。とにかく彼女の声に惹かれたのね。幼い女の子でも彼女や彼女についてストーリーを凄く知りたかった。彼女の曲を通じて彼女について学ぶ感覚を覚えたというか。私にとっては神の啓示みたいな経験だったのよ。
あなたの音楽とはだいぶ異なりますが、トレーシー・チャップマンの音楽とあなたの音楽にはしっかり繋がりがあるっていうことですか?
間違いなくね。私が心の底からインスパイアされた音楽はトレーシー・チャップマンやフィオナ・アップル、そしてローリン・ヒル。彼女たちの音楽からは彼女たちがどんな人間であるかを感じ取ることが出来る。人間が持つヴァルネラビリティ(傷つきやすさ)やその美しさがね。私の音楽もそんな風であったらと思ってる。
「困難なとき」を乗り越えるために音楽を作り始めたと聞きましたが、それがどんな困難だったのか名言していたことはないと思います。それは意図的ですか?
そうとも言えるし、そうでもないと言えるというか・・・、でもその頃は辛いことが次々と起こった時だったの。それが人生で本当に落ち込んだ最初のときだった。私にとってどう扱ったら良いか分からないことが周囲で沢山起こったし。例え晴れの日でも、全てが陰鬱に感じられるくらいに。
今もそういったダークな時期の最中なのでしょうか?
今はそれ程でもないと思う。思うに、若い時って張り詰めた感情を全て抱え込みがちというか、私は自分のことしか代弁できないけど、とてもセンシティブなところがあるんだと思うのよ。悲しいときはとにかく悲しいし、誰かを愛するときは徹底的に愛する、みたいに。でも人は成長するにつれて、そうした感情をヘルシーに扱える方法を見つけるんだと思う。私にとってはその手段が音楽だった。
ではそうした開放の手段を見つけなかったらもっとヒドくなっていたかも・・・
そうだと思う。身に起こること全てに頭を打ちつけるように悩みながら人生を彷徨ってしまうんじゃないかしら。
ピアノは独学だと聞きました。ソングライティングにどんな影響がありますか?
ときどき私の書くコード進行は少し妙というか、(楽理的に)意味を成してないと思う。つまり、あるべきところに指を置いていないっていうことなんだけど。でもそれが100%感情や直感に従った音楽を生み出しているのよ、理屈では無くて。
あなたの歌詞は非常に親密な響きがあります。そこまであけすけになることは不安ではないですか?
どこで線引きすべき境界線なのかなんて分からない。でも私は何も変えるつもりはないの。色んな人が私の音楽を聴き始めたからという理由でオープンではなくすなんてことはしないと思う。
あなたの音楽が他人に聴かれたとき、何を感じましたか?
なんて表現したらいいか分からない。ただ・・・、心が突き動かされたというか。自分が体験したことを曲にして、それを色んな人が自分のことのように感じてくれるのはとても驚くべきことなの。本当に素晴らしいことよ。怒りであれ、なんであれ感情を表現するのを恐れる必要なんてないんだから。
ステージで感情を開放することはどんな体験でしょう?
いい気分。作曲という表現を身につけるのはパワフルなことなの。たとえば不安みたいに、それを感じると人って弱くなってしまうけど、代わりにそれについて曲を書くことでパワフルになれる。曲が私にとってどれだけ悲しいものであっても、それを歌い表現することは気分が良いことなのよ。
アルバムはまだ完成していないのですか?
まだ完成って感じではないと思う。タイトルもまだ決まっていないし。
でも、とても興奮しているわ。
EPと比べてどんな作品になりそうですか?
より私らしいと思う。私の心と頭の中が表れているというか。
他の臓器はある?(笑)
血液ね。
腎臓はどう?(笑)
腎臓?それは無いわね!(笑)
ご両親はあなたとザ・ウィークエンドとのツアーを観に来たんですか?
ある日パパがラジオを聴いていて、私に電話してきて興奮しながらこう叫んだの、
「誰が今ラジオで掛かってるか分かるか?ヴァンパイア・ウィークエンドだよ!!」
私は「いいじゃない、パパ、でもそれは私がツアーをする人じゃないわ!」って。
凄く可笑しいわよね。でも父は誇りに思ってくれてる。
今は区別はついてるんですよね?
今はわかってるわ。ライブにも何回も来てくれたし。父は私をしっかりサポートしてくれてると思う。
有名なことですが、あなたはFacebookに個人の電話番号を載せていますよね?
プロポーズされたりしたことはないの?
何回かあるわ!
そのうちの誰かに会ったことはありますか?
それはないわね。
その方が良いと思います。(笑)
そうね。でももしかしたら運命の人かも知れないわよね。誰にも分からないけれど。
~おまけ:ライブ映像~