mr.novemberのブログ

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【上半期ベスト】2014年 上半期 ” 極私的”ベスト・アルバム _ 5位〜2位

上半期ベスト・アルバム、5位から2位の発表です

5.  Sam Smith 『ln the Lonely Hour』(Capitol)

In the Lonely Hour

きっかけはDisclosureの「Latch」だった。それからあれよあれよという間にAdeleを迎え撃てるほどのビッグなポップ・シンガーとなったサム・スミス。
ダンス・シーンにフックアップされはしたが、彼の本質はシーンの潮流にある訳じゃないソウル、ゴスペル、ディスコ、R&B。オーセンティックな音楽フォーマットを存分に活用しながら、報われない巨大過ぎる愛、こぼれ出すエモーションを届けること。雑に言ってしまえば極めてユニバーサルなテーマであるがゆえ、イギリスを超え、日本やアメリカをも彼の声は貫きつつある。
それにしてもBBCが選ぶ「Sound of」シリーズは毎年ハズレがないもんだ。別途詳しいレビューはこちらでも→【Album Review】Sam Smith『In the Lonely Hour』


*歌詞の和訳は以下がおすすめ:ブログ「およげ対訳くん」
 http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2014/04/stay-with-me-sam-smith.html

<おすすめトラック:M2「Stay With Me」,M5「I'm Not The Only One」>

4.  Caitlin Park『The Sleeper』(Create/Control) 

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公式ページでは彼女の音楽を説明するのにフォークトロニカという言葉が使われている。しかし、彼女の音楽的レンジはもっと広い。チープなリズムセクションキャット・パワーを思わせる明るいのに物憂げな声、牧歌的なギターで奏でるモダンなフォーク・ミュージック。2011年にデビュー作をリリースしているのが契約レーベルはCreate/Controlという小規模レーベルで豪州エリアのみのディストリビューション。サウンドクラウドのフォロワーはたった390人(8月6日時点)、Facebookページの「いいね!」も2000件ちょっと。それでもこうして存在を知ることも、広めることも出来る時代。素晴らしいよね。

AmazoniTunesでの取り扱いは当然無いので公式ページからご注文ください!!
 公式HP           :http://caitlinpark.net/
 Sound Cloud  :https://soundcloud.com/caitlinparkmusic
    Hype Machine:http://hypem.com/artist/Caitlin+Park+(official)

<おすすめトラック:M2. 「Hold Your Gaze、M5「Lemonade

3.  Chet Faker『Built On Glass』(Future Classic)

Built on Glass

髭面のせいで老けてみえるがまだ26歳のピッチピチの若者だ。地味に宣伝活動を続けている最強音楽アプリHype Machineをきっかけに一気にブレイクしたオーストラリアのシンガー/トラックメイカー=チェット・フェイカー。本名で活動しても鳴かず飛ばずだったことから自身の尊敬するチェット・ベイカーを文字って半ばやけくそに付けたであろうアーティスト・ネームがまず最高(笑)。
サウンドはぐっとトラディショナルなジャズやソウルを下地にしているが、Bonobo、Massive Attack, Four Tetが大好きという言葉どおりエレクトロニックなサウンド・テクスチャーの作り込みは見事。
機材セッティングが不調に終わり不完全燃焼だったフジロックでのパフォーマンスでシンセやサンプラー・パッドを所狭しと動きまわりながら操る姿は、部屋で散々機材をイジり倒してきた姿が目に浮かび思わずにやけてしまった。
2014年下期にデビュー作をリリースするだろうNYのニック・ハキムとの新世代ジャズのシンガーソングライター隆盛の口火を切ったのはこのチェット・フェイカーと今年の終わりには振り返ることになるだろう。必聴。

<おすすめトラック:M2.「Talk is Cheap」, M8.「1998

2.  Glass Animals『ZABA』(Wolf Tone)

Zaba

2012年で言えばAlt-J的なポジションに当たるだろうか。極めて通好みの独創的な音像感。新人だが既に豊富なサウンド・ボキャブラリを持ち、それを操るスキルがある。ベッドルーム・プロジェクトに過ぎなかったバンドはアデルを手がけたポール・エプワースの耳に止まりプロデュースを任せることに。今年一番と言ってよい評価を得て、突き抜けた感のあるSt.Vincentという旬なアーティストともツアーにも出た

エプワースのリードもあったのか、デビュー作ではあるがアルバムには不必要な隙や無駄はない。サウンドはメロウかつトリッピーで、そしてメロディには奇妙な中毒性がある。と同時に踊れるグルーヴをも備えている。(グラストンベリーでの彼らのパフォーマンスを観ればすぐに理解できるだろう)
オックスフォードから出てきたこの秀才バンドと今年セカンドをリリースするリーズのAlt-J、良い意味で凌ぎを削るライバルになったら最高に面白い

<おすすめトラック:M4.「Gooey」、M7.「Hazey」>

 

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